昨年(2023年)12月に内房の海岸にザトウクジラのストランディングがありましたが、今回は同じ南房総市の外房側の和田の海岸に同じくザトウクジラの死骸が打ち上がりました。
ザトウクジラは、夏は北の海域、冬は南の海域へと定期的に移動して生活しています。
その移動時期、或いは亡くなって暫く海上を漂って少し経ってから移動経路近くの海岸へ死骸が打ち上がることは間々あることですが、一月空けて続けて同じ房総半島にというのは、さすがに珍しいのではないかと思います。
和田は、漂着した場所のすぐ近くにこんなオブジェが飾られている道の駅(和田は現在は南房総市の一部ですが、ここは平成の大合併以前は旧和田町役場だった場所です)もある捕鯨の町です。
現在も捕っているのはハクジラの一種のツチクジラなので、今回打ち上がったヒゲクジラの一種のザトウクジラとは全く違う種類ですが、そんなところに漂着したのも何か皮肉な話です。
私が見に行ったのは漂着してから数日後でしが、当初他の人が上げていた画像や動画では頭が南で尾が北を向いていました。
しかし、私が見に行った時には元の位置より少し南に流され、何故か全く正反対を向いていました。
因みこれは仰向けの状態です。
今回のザトウクジラは、昨年内房の海岸に漂着したニタリクジラほど腐敗したり、欠損したりはしていませんでしたが、昨年12月のザトウクジラ(これは今まで見たクジラの漂着死体の中で最も傷んでいませんでした)よりは傷みが激しく、沖で船舶などと衝突して皮膚が裂けてしまったのか、爆発して裂けてしまったのかは不明ですが、右の胸ビレからお腹にかけての皮膚が大きく裂けて内臓が露出(画像にはボカシを入れています)していました。
胸ビレ
胸ビレが特別に長いのがザトウクジラの大きな特徴です。
胸ビレの長さは大まかに歩幅で測ったとろ、凡そ2.5mくらいのようでした。
尾ビレ
この巨体を空中に弧を描いてジャンプされるだけあって、尾ビレも立派です。
肌が白っぽく見えますが、これは黒い表皮(厚み1mm程度)が殆ど剥がれてしまっているからです。
ストランディングしたクジラを見に行く時の注意点
今回は結構入れ替わり立ち替わり人が見物に訪れていましたが、見物する際の注意点があります。
死骸が傷んでいない方が良いようにも思いますが、逆に爆発する危険性があります。今回は既に皮膚が裂けてたためその危険性はありませんでしたが、そうでない場合は不用意に近づかない方が安全です。
また、どんな細菌やウィルスが寄生しているかわからないので、絶対に無闇に触らないことです。
知能が高いからといった理由での感情移入などではなく、また何か明白に理由を説明できるわけではないのですが、何故か私はクジラ類が大好きです。
南の海へ向かう途中でのストランディング。非常に残念で無念です。
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